「その鼓動に耳を当てよ」─救命救急の最前線から見えた沖縄の医療の現場
【映画が映し出す救命救急の現場】
先日、貸切り上映会で救命救急センターのドキュメンタリー映画「その鼓動に耳を当てよ」を鑑賞しました。リアルな医療現場で働く医師たちの姿や信念に触れ、深い尊敬の念を抱きました。
【沖縄中部地区の医療逼迫状況】
上映後には、シアタードーナツの代表・宮島真一さんをMCに迎え、中部徳洲会救急科医長の友利隆一郎先生と中頭病院医療福祉相談室長の秦克之さんによるトークセッションが行われました。このセッションは非常に印象的で、沖縄、特に中部地区の医療逼迫状況や課題、そして今後の展望について貴重な洞察を得ることができました。
現在、中部地区では中部病院、中頭病院、中部徳洲会の3大病院が連携し、懸命に救急患者の受け入れに奔走しています。「断らない救命救急」を掲げ、本気で実践していますが、それでも限界に近づいています。全ての患者を受け入れることが困難になりつつある現状は、医療関係者にとって大きな課題となっています。
【変わりゆく医療環境と高齢化社会の課題】
かつては水道の蛇口をひねれば水が出るように、119番通報をすれば必ず病院で診てもらえると考えられていました。しかし、そのような時代は終わりを告げつつあります。2045年に向けて、沖縄では高齢化問題がより顕著になると予測されており、今後20年間で何らかの対策を講じる必要があります。
【医療現場の奮闘と私たちにできること】
医療現場では、救急患者を断らないために、一つでも多くのベッドを確保しようと日々奮闘している方々がいます。その努力は計り知れません。しかし、個人や地域社会にもできることがあります。例えば、介護タクシーの活用や救急車の適切な利用、退院後のケア、在宅医療の推進などが挙げられます。
【未来への展望:私たちにできること】
この映画と討論会を通じて、私たちは医療システムの現状と課題を深く理解することができました。同時に、医療従事者の献身的な努力と、彼らが直面している困難も明らかになりました。
今後、私たち一人一人が医療リソースの適切な利用について考え、行動することが重要です。また、地域全体で高齢化社会に備えるための取り組みを進めていく必要があります。救急医療は、文字通り生命線です。その持続可能性を確保するために、私たち市民にもできることがあるはずです。
医療従事者の方々の献身的な努力に感謝しつつ、私たちも医療システムを支える一員として、何ができるかを真剣に考える時が来ています。この映画は、そのきっかけを与えてくれる貴重な作品だと感じました。